私事であるが、10月22日は私の誕生日である。
そして、2021年10月22日で35歳となった。
35歳になった日に妻と娘と共にサンリオピューロランドへ遊びにいってきて誕生日を楽しんできたのだが、そんな思い出となった誕生日に5歳の娘が「ぐでたま」を嫌いになったので、その時の話をする。
出発〜到着
私は、シナモロール推しなのでシナモン装備、娘はマイメロ推しなのでマイメロ装備、妻は大体のキャラが好きなのでノーマル装備をしていざサンリオピューロランドへ。
車で1時間かからないぐらいの道中、「マイメロちゃんのお部屋に行きたい」「キキララのところに行きたい」とこの時点で「ぐでたま」の「ぐ」の字も会話に出てきていなかった。
どんなキャラクターに会えるかワクワクしているうちに、特に交通トラブルもなく到着。
入場待ちの列には、私達と同じような家族連れから友人同士や恋人同士、サンリオガチ勢と様々。
幅広い世代に愛されているサンリオピューロランドの歴史を感じる。
歴史を感じながら、本日のプログラムを確認していると、サンリオピューロランドは30周年を迎えるようであった。そりゃ愛されているわけだ。
単純計算で私が5歳の時にオープンしたということだ。今私の娘が5歳なので、この娘が今の私の年齢になるまでの歴史を思うと、重みを感じる。
入場待ちの列にぐでだま推しと思われる装備の人は見受けられず、歴史の重みは感じていたが、この時点でも我々はぐでたま感は何も感じていなかった。
入場
いよいよ10:00となり入場開始である。
テーマパークでの私のモットーは、「焦るな!テーマパークこそのんびり動くのだ!」であるので、ゆっくり行動を開始したがそんなモットーは娘からしたらクソくらえである。
「ねぇ、まずは色々回ってみよう」と、とにかく行動あるのみ。
とりあえず可愛いスポット、楽しそうなスポットに突撃である。
とはいえ、オープン直後はやっていないところもあったり、10:30発券開始のレストランを押さえたいという大人の事情もあり、妻の誘導にて時間のかかるアトラクションを避ける形で行動を開始する。
行く先々で、娘の好奇心をくすぐるものがあり、とても笑顔であったので嬉しかった。
無事にレストランの発券も済み、11:00オープンの「館のレストラン」までの時間にちょうど良いショーがやっていたりと上々のスタートを切った。
もし私が一人でサンリオピューロランドに乗り込んでいたら、まずはベンチを探してゆったりすることを第一目標にしていたことであろう。
そんなことを考えているうちに「館のレストラン」のオープンの時間となった。
この時点でも、ぐでたまとの接点はなかったが、実は入場した際に受付にて後のキーアイテムとなる「首から下げるバースデーカード」を手に入れていた。
このアイテムは首から下げているとキャストさんが「お誕生日おめでとうございます」と声をかけてくれるカードである。
装備しないと効果を発揮しないアイテムであるが、もちろんドラクエを代表するRPGをやったことある私は抜かりなく装備をしていた。
一つのフラグがここで立っていた。
館のレストランでの昼食
入場からの興奮を少し落ち着けるのと、これからの行動のためのエネルギー補給のために「館のレストラン」に到着した我々。
実はもう一つ目的があった。
この「館のレストラン」はランダムで「ハローキティ」「ディアダニエル」「シナモロール」「マイメロディ」「ポムポムプリン」「ウィッシュミーメル」の中から1キャラクターがステージ上に現れるのだ。
休息しながらもキャラクターに会えるというお得スポットである。
そんなわけで食事を楽しんでいると「ウィッシュミーメル」が現れた。
正直、あまり知らないキャラクターなのだが、館のレストランに入る前にウィッシュミーメルのショーを見ていたので、今日はこのキャラクターに縁があるんだなと思って悪い気もせず、娘も「可愛い」と言っていた。
とても良い気分でレストランを後にした。
いよいよ本格的に行動開始である。
アトラクション巡り
お腹が膨れた我々は、娘が楽しめそうなアトラクションをとにかく回った。
乗り物から自分でフロアを回るものやゲーム、キャラクターグリーディングと時間が過ぎるのはあっという間であった。
ここで、本日初めての「ぐでたま」との接触が起こる。
と言っても動いている「ぐでたま」ではなく「ぐでたまらんど」というぐでたまの世界観のゲームコーナーである。
身体を動かすゲームを娘は楽しみながら、特にトラブルはなかった。
妻の深層心理に「ぐでたま」という言葉が刻まれたことを除いて。
この時、2つ目のフラグが静かにたてられていた。
運命の分かれ目「マイメロディ」のキャラクターグリーディング
時刻は15:00となっていた。
「夢のような時間ももう終盤か」と心の中で思いながら、私は少し焦りながらランド内を歩いていた。
この時点で私は運が良かったのか実は推しのシナモロールと写真を撮ることが出来ていた。
「シナモロール」のキャラクターグリーディングを見つけられていたからだ。
もちろん嬉しかったのだが、親になると娘に楽しんでもらいたい気持ちが第一なので、入場からずっと娘の推しである「マイメロディ」と関われるスポットを探していた。
そんな中見つける。
「マイメロディ」のキャラクターグリーディングを。
「15:30〜」とのことで、時間には全く問題なく、安堵した。
休憩も兼ねて列に並んだ。
今思えば「ぐでたま」の巧妙な罠であったがこの時点で気付くはずもない。
15:30になって「マイメロディ」とのキャラクターグリーディングに娘はとても喜んでいた。
マイメロ装備をした甲斐があった。
残りの時間はあと一つぐらいアトラクションを回ってから、お土産含めてグッズを買って閉園となるぐらいであった。
閉園後の有料で見れるパレードのチケットも買っていたので、のんびりモードである。
ここで妻が娘の運命を決める言葉を発する。
「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜って観たことないから行ってみない?」
「マイメロディ」のグリーディング会場から「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜」の場所はすぐ近くで、最終公演も16:00とその選択を自然にするように仕組まれているような設定をされていた。
要は、「マイメロディ」のキャラクターグリーディングに参加した時点で私たちの運命は決まっていたのだ。
35歳の経験則
「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜」へ行くことが決定した瞬間から、本当に嘘ではなく私はその後の展開がある程度予想が出来、事実その通りとなる。
私も「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜」に行くことは初めてであったが、観客の参加型のアトラクションで映像を使うという情報をパンフレットから得ていた。
下記は、当時の私が一瞬のうちに巡らせた思考である。
『十中八九、ディズニーランドとシーにおける「スティッチ・エンカウンター」や「タートルトーク」といった観客からターゲットを絞っていじって笑いにするタイプのアトラクション。
普段の私の状態であれば、特に何の問題もないアトラクション。
だが、今日に限っては違う。
手に入れてしまっている。「首から下げるバースデーカード」を
高確率でターゲットに選ばれる。恐らくはメインでいじられる初手あたりに・・・』
わしゃHUNTER×HUNTERのキルアか!
って自分にツッコミを入れるぐらいに刹那で判断をした。
35年分の経験則をこんな場面で使おうとは夢にも思ってもいなかった。
決戦、ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜
ネタバレもクソもないが、「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜」では前述した通りの出来事が起こる。
本当に思った通りに世の中が動くので、「世の天才はこんな気分なんかな」と思った。
そして、予測通りのままショーは終わったが、その後は予想外のことが起こっていた。
「娘がめっちゃぐでたまを睨んでいた」
そして、「パパ映画に出て欲しくない」と謎の言葉を発して泣いていた。
謎の言葉としたが「ぐでたま・ザ・ム〜ビ〜ショ〜」に参加したことがある人なら多少は理解に繋がったはずだ。
このショーは、ぐでたまが観客から新しい映画の出演者を選んで、映画を作って終わると言った内容。
私は、もちろん選ばれて映画のスタッフロールに名前が乗って終わった。
それを受けての「パパ映画に出て欲しくない」発言であった。
さらに妻が娘に聞き取りを行うと「大好きなパパが仕事が忙しいのにさらに忙しくなって欲しくない」や「私だけのものじゃなくなっちゃう気がした」ということであった。
可愛すぎる。
閉園へ
それ以降の娘は「ぐでたま嫌い」「1番好きなのはマイメロちゃんで100位がぐでたま。嫌いってこと」とぐでたまが如何に嫌いかをアピールしていた。
ショップで欲しいグッズを買うことで機嫌を良くしたが、ぐでたまが嫌いな事実は変わらないままであった。
閉園後のパレードでは、力を使い果たしたのか疲れ切った表情で見ていた。
車で自宅に戻り、娘は「サンリオ楽しかった!ぐでたまはもう喋らない」と言って眠りについた。
2021年10月22日は、5歳の娘が「ぐでたま」を嫌いになった日となった。
30年後、娘が今の私と同じ35歳になった時、この日を覚えているだろうか。