私には、昔から憧れというか欲しいものがある。
それは、全部銀色のフライパン。
テレビのグルメ番組を見ていると、お洒落なお店のシェフが十中八九全部銀色のフライパンを使いながら何かとソースと和えている。
この映像を見るたびに「めっちゃかっこいい・・・」「家でこんなフライパンがあったらどんなにお洒落か・・・」といつも思う。
↓全部銀色のフライパンのイメージとしてはこんな感じ。
この全部銀色のフライパンをそこらへんのお店で探すと「焦げ付かない」を売りにしたいわゆる黒色の普通のフライパンしかない。
全部銀色のフライパンは業者専用なのかわからないが中々見つからないのだ。
出会うことさえ難しいのがさらに憧れを強くしていった。
IKEAにて
ある日、IKEAに買い物に行った時にフライパンを眺めていたらそれはあった。
全部銀色のフライパン。
実物で見ると思ってた以上にかっこいい。
でも値段はうろ覚えだが5600円ぐらいでまぁ普通のフライパンと比べて高い。
「んー高いなぁ」「500円なら即買いなのに」とか経済界舐めたようなことを考えたが胸に秘める。
この時「全部銀色のフライパンを買うぞ!」とか「全部銀色のフライパンを見るぞ!」という心の準備をしないままに私と全部銀色のフライパンは出会ってしまったので、お互い動揺を隠せず、買う買わないの思考がうまく働かなかった。
そんな状態で安易に購入するかどうかの判断を下さすのは、全部銀色のフライパンにも失礼にあたる。
というわけで、今買うのは時期尚早だ。富豪になってから買おう。
という結論に至り、「まぁお店で持ってみるぐらいはタダだから」と思って持ってみるとこれがメッチャ重い。
この世の全ての全部銀色のフライパンが重たいわけでないだろうが、ファーストコンタクトだったので重さに驚いてしまった。
よくよく考えればフライパンはまぁまぁ重いものだ。
…とはいえ富豪になるに加えて、筋トレもしっかりせんといけんくなった。
全部銀色のフライパンを使って悦に至るまでの道のりは近づいたようで遠のいた。
だがめげない。
実物を見たことで「手に入れてやるんだ!」という気持ちを手に入れることができた。
シェフ御用達?
そもそもなんでシェフは全部銀色のフライパンばっかり使うんだろ?
調べて見るとシェフ御用達の全部銀色のフライパンは「アルミフライパン」と言うらしい。
料理においてのメリットとしては熱伝導性に優れているようだ。
熱伝導性に優れてると何が良いのかさっぱりだったが、これも調べてみると細かな火加減の調整が出来たり、スピーディに加熱ができるそうだ。
かっこよくドヤ顔をするためのものではなかったようだ。
私は、割とマジでドヤ顔するための道具だと思っていたから目から鱗だった。
ちゃんと料理において必要だから使っていることを認識できてよかったが、私がこのアルミフライパンを欲しい理由はドヤ顔をしたいのだ。
細かな火加減の調整など素人でできようはずもない。
いかにテレビのような感じを出すか、それに尽きる。
さらに言うと別に誰かにドヤ顔を見せたいわけではない。
自己満足して悦に浸りたいのだ。
ちなみに、アルミフライパンで何を作りたいかと聞かれたら「ペペロンチーノ」と答える。
アルミフライパンでシェフがペペロンチーノ作ってる映像をテレビで幾度となく見たが、オリーブオイルにニンニクの香りを移す調理の工程を見るたびに圧倒的に美味そう。
そしてオシャレレベルが高いのだ。
ペペロンチーノ専用のフライパンとして我が家に置かれる日が早く来て欲しい。
難関は妻
ここで、我が家にアルミフライパンを手に入れる条件を整理してみよう。
「お金」・・・まぁ家を買うわけじゃないから頑張れば何とかなる。
「筋力」・・・数年前から地道に筋トレしてきたので、何とかなる
「妻」・・・難関。あまり何とかならない。
そう、妻が難関なのだ。
利便性の高いフライパンを第一と考える妻に私がペペロンチーノ作るだけのフライパンを買うということを納得させなければならない。
超むずい。
パワポで論理的かつクリエイティブなプレゼンをしてごまかしても無駄である。
このミッションを成功に導くには妻に確実な利を与えなければならないのだ。
なのでやること自体は決まっている。
以下の通りだ。
妻が所望する焦げ付かないフライパンをまず買い与え、加えてアルミフライパンを置いても窮屈でないキッチンを用意し、そんな高い買い物しても不安感を与えない収入を得る。
改めて条件を整理する。
お金だ。
んーお金がいる。圧倒的に金がいるなぁ。
ドヤ顔するためのフライパンを一個買うために引っ越しをしないといけなくなるとは・・・。