痛ましく、悲しく、恥ずべき事件が起こってしまった。
2022年1月23日、栃木県の電車内でタバコを吸っていた男に対して、男子高校生が注意すると注意された男が男子高校生に暴行を加えたという事件だ。
「男子高校生の勇気が凄い」「変なやつには関わらないほうがいい」「男子高校生の容態は大丈夫だろうか」「しっかり物が言える素敵な男子高校生」「武力の必要性」「運」など色々なことを考えさせられた。
そういった思考と共に別のことも考えていた。
私は栃木県小山市というところの生まれで高校卒業まで小山市で育ってその後は県外へ。
事件の際に男子高校生と男が降りた駅がJR宇都宮線の「自治医科大駅」であるが、私の地元の小山駅から数駅の近さの場所である。
今回の事件は日本のどこでも起こりうる事件ではあるが、栃木県出身の私からすると「栃木なら起こり得るなぁ」というのが率直な感想である。
ざっくり栃木県の説明をする。
栃木県というのは田舎である。誰がなんと言おうと。
関東圏でない人からすると「どこにあるの?」って知名度だが関東地方に属する。
関東の北側に位置する群馬、栃木、茨城と共に「北関東」なんて一括りにされることが多い。
栃木県は、真ん中に県庁所在地の宇都宮があり、宇都宮より北側を県北と呼びめっちゃ田舎、南側は県南と呼びちょい田舎といった感じである。
今回の事件は私の生まれ育った県南のエリアで起こった事件だ。
田舎というのは純朴なイメージがあるが、栃木の治安は決して良くない。
十数年前の話だが、中高生の力自慢が半グレ、反社に流れるというのは珍しくなく迂闊に駅の路地裏やゲームセンターに入り込むとカツアゲにあったりする。
中学校の同級生が学校卒業後にチームを作って暴力団の武闘派と喧嘩をしたといった本当か嘘かわからない噂が良く飛び交っていった。
夏に小山の花火大会があるのだが、花火大会後は駅前で警察と半グレ、反社が拡声器使ってなんかやりあっているというのが風物詩である。
そんなところではあるので、栃木には一定数「関わらない方がいい人間がいる」という認識を持っていた。
一方で、きちんと注意が出来る高校生がいる良い街でもある。
そういった意味で治安は少しずつ良くなったのかもしれない。
色々思うことはあるが、ただただ男子高校生の怪我が一刻も早く回復するのを祈るばかりだ。